復興計画を作ることができるのだろうか?

ゴールデンウィーク最後の休日、今日は子供の日、あれから間もなく2カ月になります。
第一次補正予算が国会を通りこれから復興が本格的に始まろうとしていますが、どのような街に生まれ変わるのか大変関心を持っています。

復興には、相当の時間がかかるでしょうし、ハードが整備されてもそれに付随するソフトがしっかりと廻るようになるには、更に数年という年月が必要ではないかと思います。

人の為につくられた街が都市が、人の命を守ることが出来ないものではどうしようもありません。
是非とも「災害に強い街」に生まれ変わってほしいものです。

さて、被災地の復興計画について過去の事例を見てみようと思いますが・・・・・

明治以降、日本における都市の復興の前例となるのは、まず関東大震災後の帝都復興計画があります。

時の内務大臣 後藤新平が中心となって「帝都復興院」という組織を作って復興計画はスタートしました。
復興計画の具体的な内容については、国会による承認が必要であり、この手続きについては現代と変わるものではありません。
復興計画の当初予算は30億円規模だったそうですが、議会で承認された最終予算は5億円を更に下回るものになってしまいました。

その為、計画された理想的な東京市の復興はならず、中途半端なものに終わってしまったのが実態です。
その原因は財政難であったわけです。

その後、日本は再度復興計画を策定することになります。
言うまでも無く太平洋戦争によって破壊された都市の復興計画・・・戦災復興計画です。

この復興計画もまたもや、中途半端で終わってしまいました。
その原因は、やはり財政難とGHQによる妨害です。

この二つの復興計画には、財政難によって中途半端に終わってしまったという共通点があります。

現在進められている復興計画においても、やはり財政上の問題が大きな壁になりそうです。
是非とも同じ轍は踏まないようにしてほしいものです。


記憶が新しいところでは、阪神淡路大震災後のひょうごフェニックス計画があります。

この復興計画は兵庫県がまとめた計画で、事業期間10年間、事業予算17兆円というものでした。国は補正予算を組み、約4兆円を超える公債を発行して復興の支援を行ったのです。

阪神淡路に関しては、結果を見るとうまくいったわけですが、その道のりは大変なものだったと思います。

さて、このたびの東日本大震災における復興計画は、これまでのものとはかなり異なる面があります。
それは、被災範囲が広く関係自治体も多岐に渡ります。
その為、復興計画そのものが自治体ではなく国が策定せざるを得ないということ、そして復興に要する費用が数十兆円にも上るであろうことです。

そして
最も異なる面は、元の場所に再建・再生することではなく、違う場所に街並みを形成しなければならないということです。
このことは、様々な権利関係の調整も必要ですし、長い年月をかけて作られた経済的・環境的条件をゼロから作ることを意味します。

複雑多岐となる諸条件とそれらの関連性がますます複雑性を高め、計画策定の難度は計り知れないくらい高いものとなるでしょう。
どこかに計画の齟齬があっては、二次災害・三次災害を被ることにもなりかねません。

復興計画そのものの策定が、甚だしく困難を極めるものであると感じています。

このような大変難しい復興計画ですが、国が立ち上げた東日本大震災復興構想会議のメンバーは

  • 議 長: 五百旗頭 真 防衛大学校長、神戸大学名誉教授
  • 議長代理: 安藤 忠雄 建築家、東京大学名誉教授
  • 議長代理: 御厨 貴 東京大学教授
  • 委員: 赤坂 憲雄 学習院大学教授、福島県立博物館館長
  • 内館 牧子 脚本家
  • 大西 隆  東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授
  • 河田 惠昭 関西大学社会安全学部長・教授 阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター長
  • 玄侑 宗久 臨済宗福聚寺住職、作家
  • 佐藤 雄平 福島県知事
  • 清家 篤  慶應義塾長
  • 高成田 享 仙台大学教授
  • 達増 拓也 岩手県知事
  • 中鉢 良治 ソニー株式会社代表執行役副会長
  • 橋本 五郎 読売新聞特別編集委員
  • 村井 嘉浩 宮城県知事
日本のが結集したとも言えますが、国の会議は果たして機能するのだろうかとの疑問も出ています。

その一方、国が進める計画とは別に宮城県が県独自の復興計画策定を目差し、震災復興会議を発足しました。 会議のメンバーは

  • 石川幹子  東大大学院工学系研究科教授
  • 井上明久  東北大学長
  • 今村文彦  東北大大学院工学研究科付属災害制御研究センター長
  • 岡田新一  建築家
  • 神蔵孝之  イマジニア会長兼CEO
  • 木村拓郎  減災・復興支援機構理事長
  • 小宮山宏  三菱総合研究所理事長
  • 生源寺真一 名古屋大大学院生命農学研究科教授
  • 寺島実郎  日本総合研究所理事長
  • 広井良典  千葉大法経学部総合政策学科教授
  • 藻谷浩介  日本政策投資銀行地域振興グループ参事役
  • 山田沢明  野村総合研究所顧問
といった面々です。

あまり根拠は無いのですが、宮城県の会議の方が実のある計画ができるように思えてなりません。

政府としては、あまりメンツにこだわらず地元から生まれる計画案がよりベターであれば、そちらを採用するような度量を見せてほしいところです。


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