施工管理の質が問われている

2008年のリーマンショックを境にして、住宅業界は厳しい状態がつづいていましたが、どうやら落ち着きを取り戻し、今年の後半は戸建て住宅・分譲マンションとも着工数が増えたそうです。
景気の回復まではまだまだという感じがしますが、ハウスメーカーの倒産などという、深刻な事態はもう招きたくないという思いでいます。

住宅業界はまだまだ未熟な部分がすごくあるのですが、住宅産業が生まれた頃から見ると、格段と成長した部分もあります。
パッシブソーラーを含めた設備系の技術は、かなりいいところまで来ていると思います。
エコキュートや太陽光発電など、これからもっともっと普及していくのでしょう。

こういった設備系の技術と比べると、ほとんど進歩の無いのが施工管理です。
ハウスメーカーや工務店のスタッフが行う業務ですが、建主の方を向いていない仕事の仕方という印象は否めません。

言い方が悪いですが『建主はシロウト』です。施工管理がきちんと行われているかどうかについては、把握できていないのが実情です。
せいぜい『連絡をよくくれる』とか『対応が早い』などといった、いわば、仕事としては当たり前のレベルでしか、評価できないんですね。

ところが、引き渡し後にトラブルになったり、極端なケースでは欠陥住宅裁判にまでなってしまう原因のほとんどは、施工管理のあり方にあるわけです。

請負契約はウケマケケイヤク?

住宅の工事は請負契約ですので、例え工事途中で大きなトラブルがあっても、原則的には契約の解除はできません。
どんなに施工のレベルが悪くても、最後まで工事をやってもらうしかありません。
工事会社が倒産した・・・こんな場合を除いては、工事会社を変更できないのが請負契約です。

請負(うけまけ)と書きますが、業者が“うけがち”しているのが実態です。
この力関係は引渡後も変わりません。残工事があろうと、不具合やミス工事があったって工事代金を支払って引き渡しを受けてしまうとどうしようもありません。

第三者監理の必要性

以前お世話になったお客様のお身内がリフォーム工事をしていました。
ところが、あまりにもズサンな工事に驚いて相談があったのが、今年の6月頃でした。

現場を見にいって本当に驚きました。
契約の途中解除をするしかないと判断しましたので、裁判手続きを念頭に工事会社に対し工事中止の申し入れからスタートしました。

結果的には、第三者監理をすることによって工事は続行することになり、1か月ほどの工期延長によって無事工事を終えました。
多少の不満は残ったものの円満に引き渡しを受け、工事業者も支払を受けることができ無難に終わりました。

工事途中から第三者監理として入るというパターンでしたが、業者側は最初は抵抗します。
何故なら、今までのようにいい加減な施工管理では通用しなくなるからです。

工事監理は、工事内容や手順について現場で点検や指示をしますが、最後は工事完了検査に集約します。
工事業者が恐れるのは、完了検査によってやり直し工事を命じられることです。
素人相手のやり方ではあとでたいへんなしっぺ返しがきますから、慎重な工事内容に変わってきます。

考えてみて下さい建主さん

施工管理の質が高まっていくと、上に書いたような問題は少なくなっていくはずです。
その為には、住宅工事会社が、高い質の施工管理が必要であることを自覚しなければならないのですが、ほっといてもそのようにはなりません。

建主さんの知識や理解度が高まって、そのような要求をするようになるといいのですが、それも簡単には望めません。

そこで考えられる方法として、第三者監理を活用して、住宅業界全体に施工管理の質を高めるような圧力をかけてはどうかと思っています。

建築士事務所は以前に比べると仕事が少なくなってきています。第三者監理によって仕事が増えると同時に、住宅業界全体のレベルアップにつながるのではないかと考えていますが、主体となるのは建主さんたちです。
来年はこんな動きが始まるといいのにな~と思います。


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